2026/03/14 16:36

先日、マーケティングの専門家であり、いつもお米をリピートしてくださっている常連さんでもあるケイティさんと、Xスペースで壁打ちをさせていただきました。

テーマは、お米の販売、ブランドづくり、NFTの活用、そして今後の施策について。

僕は滋賀県高島市で、義父と一緒に米づくりに関わっています。本業は会社員ですが、地元の田んぼや景色を残したいという思いが年々強くなっていて、お米の販売にも少しずつ力を入れてきました。

その中でずっと考えていたのが、どうすれば「安いから買う」ではなく、「ここから買いたい」と思ってもらえるのかということです。

今回は、そのことを中心に、かなり率直に相談させてもらいました。結果として、自分の中でも次にやるべきことがかなりはっきり見えてきたので、備忘録も兼ねてまとめておきます。


おいしいだけでは、選ばれる理由になりにくい

ありがたいことに、うちのお米を買ってくださる方は少しずつ増えてきました。何回もリピートしてくださる方もいて、本当に感謝しています。

ただ、これから先のことを考えると、お米の価格がどう動くかはわかりません。相場の影響もあるし「安いから買ってくれた」という方もきっと一定数いると思います。でも、自分が本当に作っていきたいのはそういう買われ方ではありません。

・安心感がある。
・親しみがある。
・なんだか応援したくなる。
・面白いことをやっている。

そして何より、「この人から買いたい」と思ってもらえる。

そういう形で、感情で選ばれるブランドにしたい。それが今回、最初に相談したことでした。するとケイティさんは、うちのお米を買ってくださっている理由について、すごくシンプルに話してくれました。

一番大きいのは作っている人、売っている人が“知っている人”だから。同じコミュニティの仲間でもあり、信頼があるから

もちろん、お米がおいしいことは大前提。でも、お米って「おいしい」だけで突出した差別化をするのがなかなか難しい商品でもあります。だからこそ、誰が作っていて、どんな思いで届けているのか。その背景にある信頼やつながりが大きい、と。

中でも印象的だったのは、「スーパーで買ったお米じゃなくて、アゼミチさんのお米を食べている感覚になる」と言ってもらえたことでした。その都度思い出してもらえるなんて嬉しすぎます(泣)

日々の食卓の中で思い出してもらえる。それって、ただ商品が届いているんじゃなくて、人と人との関係ごと届いているということなんやと思います。


初めての人とも、どうやってつながりを作るか

もともとつながりのある方には、その関係性があります。でも、これから広がっていくためには、初めて知ってくれた方や、たまたま見つけてくれた方とも関係を作っていく必要があります。

昨年11月からステーブルコインのJPYCでお米を買えるようにしたことで、NFTやNeoTokyoPunksのコミュニティ外から注文をいただくことが増えてきました。そういう方とは当然ながら「はじめまして」です。

今やっているのは、DMで直接やり取りをして、手書きのメッセージを添え、オリジナルのしおりやステッカーを一緒に送ることです。すると、届いたあとに
「手書きのメッセージが嬉しかった」
「しおりもかわいかった」
「先進的な取り組み、応援しています」
という感想をいただけることがありました。そんなご感想をいただけることは大変光栄です!

こちらが思っている以上に、人の気配がちゃんと伝わることに価値を感じてもらえているんだなと実感しています。ケイティさんも、この方向性はすごくいいと言ってくれました。特に手書きのカードは、やっぱり気持ちが伝わると。

ただ一方で、ステッカーやおまけは続けていくほど「次は何を入れよう」となりやすく、運用としては少し大変になる面もあります。そこで提案してもらったのが、とてもいいアイデアでした。


「家族通信」のような一枚が、距離を縮める

ケイティさんが以前、農家さんの定期便を頼んでいたときの話です。

その農家さんは、段ボールの中に毎回A4一枚ほどの「家族通信」のような紙を入れていたそうです。内容は、家族の近況や季節の話、子どもの成長、農作業のことなど。印刷した紙ではあるけれど、回を重ねるごとに、その家族のことを少しずつ知っていく感覚が生まれて、距離が近くなっていったと言います。

この話を聞いて、僕の中ですごくしっくりきました。めちゃくちゃ深く刺さった事例です。

家族のことに限らなくても、
・今の田んぼの様子
・季節ごとの景色
・まわりで咲いている花
・地域の空気感
・その時期ならではの出来事

そんなことを一枚にして届けられたら、お米の背景まで一緒に伝えられる気がします。実は以前に、田んぼや作業場の写真を1枚添えてお送りしていた時期もありました。でも、それをもっと定期的に、ちゃんと続く形にしていくイメージです。

僕の中では前から、お客様にとって自分の存在が「ちょっと遠い親戚」みたいな距離感になれたらいいな、と思っていました。そう考えると、近況を届けることって、まさにその距離を作る方法なんだなと感じました。これはもう、ぜひやってみたいことの一つになりました。

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定期便は「便利」より「鮮度」が価値になる

話の中では、定期便の可能性も出てきました。うちでは30kgでまとめて買ってくださる方も多いのですが、一方で5kgずつ買われる方も多く、購入スタイルはかなり分かれています。

以前から、NFTホルダー向けの特典として先行予約や定期購入の仕組みができないかと考えていました。そこで改めて気づかされたのが、定期便の価値は単なる便利さだけではないということです。

ケイティさんから見たメリットの一つは、家に在庫を抱えなくていいこと。そしてもう一つが、精米したての状態で届けられることでした。

たしかに、一度に30kgを精米して送ると、食べ切る頃にはどうしても時間が経ってしまいます。でも、定期便で小分けにして送れれば、その都度フレッシュなお米を届けられる。これは、ただの配送方法の違いではなく、ちゃんと品質に関わる価値だと思いました。

今後定期便を打ち出すなら、
「在庫を長期間置かなくていい」
だけではなく、
「精米したてを届けられる」
という点をしっかり伝えていきたいです。


「値引き」より、「価値」で選ばれる方へ

リピート率の話もしました。今のところ、お米を買ってくださった方は約100名。そのうち2回以上買ってくださっている方は約25%で、4人に1人がリピーターという計算になります。

その一方で、過去に行った値引き施策については、少し引っかかるところもありました。

以前、新米販売のタイミングで、NFTホルダーや過去購入者向けに3〜5割引きの特典をつけたことがあります。そのときはお米の値上がりが続いていたこともあってたくさんのご注文をいただきましたが、その後の継続購入に必ずしもつながっていないケースもありました。

つまり、価値に共感して買ってくれたというより、安かったから買ってくれた面もあったのかもしれない。そう思うと、今後も同じやり方を続けることには迷いがありました。

この点について、ケイティさんははっきりと、価値があるものは、ちゃんと価値あるものとして売った方がいいと言ってくれはりました。

これは本当にその通りだと思います。期間限定の企画として値引きをすることはあっても、値引きそのものが前提になってしまうと、「安いから買う」以外の理由が育ちにくい。

ブランドとして続けていくなら、ここは大事にしたいところです。今後、NFTホルダーさん向けには、値引きではなくて
「新米の先行予約」
「新商品の優先案内」
「定期便の限定案内」

といった形で価値をつくっていけないかなと思いました。

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話してみて見えた、これからやっていくこと

今回のスペースを通して感じたのは、頭の中でぼんやりしていたものが、かなり具体的な形になったということでした。特に大きかったのは、

・値引きではなく、価値で選ばれる方向に進むこと
・近況や景色を届ける「家族通信」のような仕組みを作ること
・定期便の価値を“鮮度”として打ち出すこと
・お客さんの声をもっと生かすこと
・ブランドとして伝えるための動画やサイトを準備すること


普段、お米の事業についてここまでじっくり話すことはほとんどありませんでした。だからこそ、今回お話している中で自分でも気づいていなかった思いや、進んでいきたい方向性が自分の口から言葉として出てきて、やりたいこともかなり見えてきました。

ケイティさん、貴重な機会を本当にありがとうございました!そして、聞いてくださった皆さんもありがとうございました!これから一つずつ形にして、また報告していきたいと思います。

※文字数の関係で一部のセクションをカットしています。全文はアゼミチのnoteにありますので気になる方は読んでみてください^^